富士山湧水全開のパワースポット、忍野八海は江戸時代から人気の観光スポットだった!

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日本の象徴でもある富士山。知らない人はいませんね。富士山のおかげで富士山本体だけではなく、その周囲にもおそるべき観光パワーが湧き出ています。例えば、「富士五湖」「三保の松原」、またこれは特定の観光地ってわけではありませんが富士山の見える風景や富士山の湧水等、富士山が与えてくれる影響は計り知れません。毛色が少し違いますが、富士の樹海なんてのもそうですね。

 

そんな富士山ですが、「忍野八海」ってご存知でしょうか??富士山の湧水が湧き出ており、今では日本人以外の観光客もたくさんくる一大観光地となっているんですが、この忍野八海は富士山の歴史とかなーり密接に結びついているんです。そんな、自然あふれる忍野八海の歴史をご紹介します。




 

まずは忍野八海の基礎知識から


忍野八海は山梨県南都留郡の忍野村というところにある富士山の湧水群です。位置的には富士五湖のうち、河口湖と山中湖のちょうど中間地点に位置します。

もともとこの地には「忍野湖」という湖があったんですが、それが干上がった後にこのあたりにある富士山の湧水源から湧き出る湧水によって複数の湧水泉が構成されました。それが、今の忍野八海なんです。その名の通り、八つの泉で構成されています。

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観光地としての体をなしている

忍野八海の湧水は富士山の雪解け水が約20年もの歳月をかけて濾過され湧き出しています。つまり、20年前に解けた雪が今こうやって湧き出しているんです。20年前の雪さん、おひさ!!って感じです。

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抜群の透明度

その泉の透明度はすさまじく、地底が濁ることなく見えます。また、水草ももっさりはえていて、その綺麗な光景に拍車をかけています。天気の良い日には富士山もバックに見ることができます。これは、人気スポットになる理由がわかります。

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富士山の存在感よ

自分が訪れたときに撮ったきれいな忍野八海をご覧あれ!!!

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今ではいつ訪れても多くの中国人観光客がいます。売店も中国語満載でした。また、アジア系だけでなく、ヨーロッパやアメリカからの観光客も近年とても増えています。SNSなどで拡散されているんでしょうね。

 

と、観光要素はここまでにして、忍野八海の歴史にせまります。時代は江戸時代までさかのぼりますよ。

 

忍野八海と富士山の歴史


富士山には昔から「富士山信仰」なるものがありました。今と同様、それほど神秘的で魅力的だったんですね、富士山は。いわゆる、今も昔も変わらぬパワースポットこそが、富士山なんです。

 

そんな富士山信仰にブームが訪れます。それが「江戸時代」でした。江戸時代は戦国時代が終焉し平和の世の中になったので人々が国を超えて自由に行き来することが安易となります。それに加え、街道の整備や保存食・旅館の発達などもあり、富士山へは比較的簡単に訪れることができるようになったのがちょうど江戸時代だったんです。

 

その時代に現われたのが「富士講」とって、主に農民や商人で構成された富士山登山団体です。それと相まって、富士山観光のための今風にいうところの旅行会社がいくつもこの富士山まわり、特に富士吉田のあたりに出現します。そう、いわゆる「富士山パッケージツアー」が誕生します。宿付き、食事つき、案内人付き、はてもはお土産付きという内容です。これが大人気で、江戸からも多くの人がツアーに申し込んでいました。

 

忍野八海は富士登山の入り口


そのパッケージに組み込まれていたのが、まさにこの忍野八海です。どういう意味があるのか。富士山はとても神聖なもので、信仰の対象でした。「不死の山」から転じたとも言われていますからね。そんな神聖なる山に登る時には邪念や汚れを落としてからいくのが慣わしであり、礼儀です。つまり、「禊(みそぎ)」です。

 

富士山ツアーの一番最初に訪れる場所がこの忍野八海でした。この清らかな富士山の湧水で禊を終えたあと、富士山に登る。これが、一般的な富士山ツアーのコースだったんです。なので、富士山をこれから登ろうと考えている人は、まずこの忍野八海で禊を終えて、ついでに巨峰ソフトと忍野蕎麦を食べた後、富士山に挑んではいかがでしょうか??巨峰ソフトを除くと、江戸時代流富士山登山コースです。

 

ここからは水マニア向けの話となりますが、富士山系のミネラルウォーターの硬度はだいたい30度~35度で、個人的な感想をいえば32度が一番多い気がします。興味の無い方は聞き流していただいて結構ですが、この忍野村にふるさと納税をすると忍野湧水のミネラルウォーターペットボトルが返礼品としておくられてきますよ。これが、なかなかうまいんです。興味がある方はぜひ、やってみてください。忍野の環境を守ることにもつながります。

 




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