桜の名所でもある北条氏照の滝山城は全てにおいてバランスが良い名城だった

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行ってきましたよ、「滝山城」!!!家から近いせいか、「いつでもいける」という怠慢があって実は一回もいったことなかったのですが、天気が良いのでふらっと散歩がでら行ってきました!

滝山城、攻略した感想は一言でいうと「全てにおいてバランスが良い」城でした。さっそく、レビューしたいと思います!




 

まずは滝山城の基礎知識


登る前にまずはこれだけは知っておきましょう。現在の東京都八王子市に位置する滝山城はもともとは「山内上杉氏」の重臣であり、「武蔵国の守護代」でもある「大石定重」が1521年に築城した典型的な「山城」です。(「守護」とは簡単にいうと今で言う「都道府県知事」で「守護代」はその「代役」です)その後、関東一円は北条氏の王国となり、大石家も北条の軍門に下ります。北条の軍門に下ってからは、この滝山城には名君「北条氏康」の三男である「北条氏照」が入城し、改築を行います。

 

滝山城では戦いも実際におこっており、1569年には甲斐(山梨県)から「小田原城(北条家の本城)」を攻めようとしていた「武田信玄」が多摩川の対岸にある「拝島(昭島市)」に2万の軍勢で陣を敷き、攻めてきます。武田軍別働隊として「小仏峠」から「小山田信茂」の攻めあがってきていました。これに対して北条氏照は2千の軍勢で篭城します。この合戦で武田信玄の後を継ぐこととなる「武田勝頼」に三の丸まで落とされますが、予想以上の堅牢な山城で武田軍を苦しめます。結果として武田軍は滝山城攻略をあきらめることとなります。

 

しかしこの戦いで三の丸まで落とされたという事実から滝山城の防御力の限界を感じた北条家は小田原城に対するさらなる防御の拠点として「八王子城」を築くこととなります。八王子城が建てられたのはこの戦いがきっかけだったんです。ちなみに、八王子城の城主もこの北条氏照が任命されることとなります。個人的にはこの北条氏照は合戦上手でもあり、政治手腕もありの文武両道の人物としてかなり好きなんです。

 

滝山城の基礎知識はこれくらいでよいとおもいます!つまり、「小田原城防御の支城であること」、「北条氏照が城主であること」、「武田信玄に攻められ、落城はしなかったが八王子城築城のきっかけとなったこと」をおさえておけば大丈夫です!

 

さて、これらを頭にいれた上で攻城してみたいと思います!

 

いざ、滝山城!


滝山城は車で行く方法とJR八王子駅からバスでいく方法の二通りがありますが、車で行くほうが圧倒的に便利です。無料駐車場があるので、車がある人はそこに止めていきましょう。

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八王子市営の無料駐車場

私が訪れたときは駐車場は満車でした。ハイキングコースとして意外と人気があるんです。ちなみに、バスを使う方はこちらのバス停で。八王子城と近いのでセットで訪れる人も多いんですよ。

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滝山城址下バス停

 

全体像はこんな感じです。山の形をそのまま利用して作られています。これ、登ってみたらわかりますが、非常によく作られています。

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さて、いよいよ入り口です!入り口は駐車場から程近いのでなんなくたどり着けますよ。看板が見えてきました。

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いよいよ登城!

市街地なのにどこに城らしきものがあるんだ・・・と思ったらいきなりの山城です!!かなりの急勾配ですよ笑

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竹林へ突入

驚くべきはその防御策


登ってて気付いたのですが、この滝山城は山の形をそのまま防御策としているため、人の力で形を変えてる箇所はほとんどありません。ほぼ天然の要害です。例えば、曲がるくねった尾根は「曲輪(防御箇所)」になってますし、少し広い平地には「馬出(兵の出撃場所兼防御施設)」が設置されています。少しも無駄がありません。それが、いたるところに見られました。また、尾根が細いので、攻めての人数におのずと少なくなるため、とても挟撃しやすい地形です。

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馬出

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行き止まり曲輪

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狭い虎口(関所のようなもの)

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櫓門




ハイキングコースとしても最適


歩いてて思ったのですが、予想以上におじいちゃんおばあちゃんや子どもの数が多かったです。しかも、ワンちゃんを連れている方もいました。往復で60分もかからないので思った以上にハイキングコースとしても良いです。眺めもとても良いですよ。

 

この中の丸からは拝島方面が見渡せるのですが、多摩川の対岸に武田軍2万が布陣していたのでしょう。

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中の丸から拝島方面を望む

武田勝頼はこの三の丸まで攻めあがって陥落させました。ですが、武田軍もこれ以降は落とせなかったのです。という歴史的背景を知っておくとこの「三の丸」という看板を見たときにまた違った感慨がうまれますよ。

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三の丸

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二の丸

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続日本100名城

これは有名な「引橋」です。有事の際は橋を落としたりして使用する「防御設備の一部」です。ちなみに、このシーンは大河ドラマ「天地人」でも使われた場所ですよ。

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引橋

ついに本丸へ突入!


三の丸、二の丸を通りついに本丸です!滝山城の心臓部まできました。

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滝山城跡

滝山城本丸には神社が建立されています。

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霞神社

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本丸からの景色も抜群

滝山城は「非常にバランスが良い」といいましたが、改めてその理由説明します。まず、往復60分ほどで攻略できる「長すぎず短すぎないコース」であること、また遺構の保存状態がよく、非常に堅牢だったことがわかることから「防御構造を目で見て楽しめる」こと、そして「自然豊かでリラックスしながら歴史が目で見て学べる」こと、最後に「北条家や武田家といった戦国時代の最も有名な武将達の戦場である」こと。

その全ての要素がそろっているので、比較的歴史初心者の方でも大いに楽しめますよ、この滝山城は。また、春になると桜の名所でもあるので、滝山城のまた違った一面が見れるかもしれません。八王子城は滝山城よりも本格的な山城になるので、まずは滝山城で体も歴史の知識も慣らすことをおすすめします!

 




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