様々な国を滅ぼし、最後は那須の殺生石となった九尾の狐伝説

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古くから日本には「九尾の狐伝説」が存在します。

よく漫画やゲームなどにも九尾の狐は登場してきますが、その元となっているのは、この日本の九尾の狐伝説が発祥なんです。NARUTOなんかもろ、九尾の狐が出てきますよね。

これ、歴史の観点からみるとなかなか面白い話なので、ご紹介したいと思います。




 

美女に化け国を亡ぼす九尾の狐


そもそも九尾の狐とは、中国神話に登場する生き物で、「白面金毛九尾狐」とも言われています。名前の通り、九本の尻尾を持つ狐で、妖狐として伝えられています。

九尾の狐は絶世の美女に化け、人間界を自分の思うがままに操る術に長けていたといわれています。特に有名なのが、中国とインドでの話です。

<中国>

絶世の美女といわれる妲己「封神演義」を知っている人はご存知かと思います)に化け、紂王を誘惑・骨抜きにし、国を滅亡させます。紀元前1100年頃です。太公望なんかもこの時代の人ですね。

<インド>

南天竺耶竭陀国(古代インド西域)の王子、班足太子の妃である華陽夫人に化け、国を弱体化させます。日本ではマガダ国と言われています。こちらも紀元前のお話です。

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葛飾北斎『三国妖狐伝 第一斑足王ごてんのだん』 南天竺の華陽夫人となった白面金毛九尾の狐が国を滅ぼすのに失敗して逃走する図

 

日本では誰に化けたのか?


九尾の狐は中国、インドで国を滅ぼした後、ついに日本にやってきます。そして懲りずに絶世の美女に化けます。その名も「玉藻前(たまものまえ)」といいます。漫画ぬーべーで狐妖怪としてでてくる「玉藻」はこの「玉藻前」がモデルとなっているんです。

玉藻前は平安時代末期の「鳥羽上皇」に寵愛されたことで知られており、名門の出身でも無いにもかかわらず、上皇を篭絡し、自分の手の中で転がします。そして、保元の乱などを引き起こし、この日本でも国を滅ぼそうと動き始めます。

ちなみに、玉藻前のモデルは皇后美福門院(藤原得子)と言われています。ここまでいくとかなりマニアックな層になるなので、ここまでにしておきます笑

 

ついに正体がばれ、殺生石に


そして、寵愛していた鳥羽上皇が病に倒れてしまいます。もちろん、これも九尾の狐の仕業です。

それを不審に思ったのが、あの陰陽師でも有名な「安倍晴明」でした。安倍晴明は玉藻前が九尾の狐だと気づき、玉藻前に対して真言を唱えます。すると九尾の狐の変身が解け、そのまま宮中を脱走します。

九尾の狐の逃亡先は今でいう栃木県の那須でした。鳥羽上皇はすぐさま討伐軍を那須に差し向けます。討伐軍の陣容は三浦介義明、千葉介常胤、上総介広常を将軍とし、安倍晴明を軍師とした8万もの軍勢でした。

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最初の戦では九尾の持つ強力な力の前に次々と軍勢がやられてしまいますが、弓矢を中心とした戦術に変更し、ついに九尾の狐を倒すことに成功します。すると異変が・・・・・・なんと九尾の狐はどでかい石に姿を変えてしまったのです。

それがこちら。今でもちゃんと残っとりますよ。

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この石はなんど毒石で、近づく動物や人間の命を次々に落としてしまったことから、「殺生石」と名付けられました。私も那須に行ったときにこの殺生石をみに行きましたが、このあたりだけ異様でした。硫化水素の匂いがぷんぷんし、硫黄溜まりが多くみられましたよ。

 

こうして九尾の伝説は幕を下ろしますが、いまだにゲームや漫画で描かれるのは、それくらい影響力が強いことを物語っているということです。那須にある殺生石は観光名所ともなってるので、ぜひ見に行ってください。もはや力は弱く、近づいても死にはしませんので笑




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