さつまいもの歴史は面白い。なぜ「薩摩」の「芋」なのか?その語源と由来について

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「やきいも~石焼き~いも~♪」といえば、日本の冬の風物詩ですよね。その石焼き芋は、もちろんですが「さつまいも」を使っています。一時期は炭水化物が多いとして嫌煙された時期もありましたが、食物繊維たっぷりのさつまいもは「難消化性デキストリン(でんぷん)」といって、かなり良質なでんぷんで構成されているため、血糖値もあがりにくく機能性食材としてみなおされているんです。まぁ健康話はおいておいて・・・・

 

このさつまいもですが、よーく文字を見てみると面白いですよ。なぜかって、さつまいもは「薩摩」の「芋」なんですから。薩摩といえば、鹿児島の旧国名ですよね。あれ、これは歴史の匂いがプンプンしますね~・・・ということで今回はさつまいもの歴史についてせまります。




 

さつまいもはそもそも南米の植物


さつまいもは日本に最初から自生していた植物じゃないんです。というのも、さつまいもは南米の植物で、16世紀の大航海時代に世界中に広まりました。そういう意味で、大航海時代というのは地球上の人間が様々な土地で混ざっただけではなく、植物や鉱物・物にいたるまで方々で混ざった時代と言えましょう。その中の一つがさつまいもです。

 

そんなさつまいもが日本にどうやって上陸したかお話します。

 

日本に初めてさつまいもが上陸した場所、それはなんと「宮古島」でした。沖縄本島と石垣島の間にあるあの宮古島です。「長真氏旨屋」という宮古島の役人が1597年に中国から宮古島に持ち帰ったのが日本におけるさつまいもの歴史の始まりです。また、1604年には別ルートで中国から「野國総管(与那覇 松)」という人物が沖縄本島にさつまいもを持ち帰ります。この宮古島ルートで入ってきたさつまいもと沖縄本島ルートで入ってきたさつまいもは別品種といわれており、そのうち本州にもちこまれたのは、沖縄本島に入ってきたルートだといわれています。

 

沖縄では稲作な不向きな気候・土壌ということもあり、痩せた土地でも比較的育つさつまいもは重宝され、積極的に栽培されることとなりました。

 

ついに薩摩に上陸


そして、ついに本州の薩摩にこのさつまいもが上陸します。薩摩の「前田利右衛門」という人物が1705年に琉球から持ち帰ったのがきっかけでした。ここで一つ疑問が。「あれっ?薩摩に上陸する前、このさつまいもってなんて呼ばれていたの??」って思いませんか?だって、薩摩に上陸する前からさつまいもって呼ばれていたら、なんで「さつま」って言っちゃってるの?ってことになりますからね。

 

正解は非常にシンプルです。さつまいもはこのとき、「甘藷」や「唐芋」と呼ばれていました。「甘藷」は「甘い芋」を意味し、「唐芋」は「唐(中国)の芋」を意味します。なるほど、納得な答えですよね。甘いですし、中国から持ち込まれたものですし。

 

そしてここで次の疑問です。いつから「さつまいも」と呼ばれるようになったのでしょうか??

 

青木昆陽先生のおでまし


全国区レベルでさつまいもが普及するきっかけになったのが、暴れん坊将軍でも有名な八代将軍徳川吉宗の時代の儒学者である「青木昆陽」でした。この頃の日本は稲作、つまり米に頼っていたため、日照りによる飢饉がよく発生していました。この時代も1732年に「享保の大飢饉」が発生していまいたからね。そこで、青木昆陽は米に代わる主用作物を探すこととなりますが、そこで目をつけたのが「唐芋」でした。

 

青木昆陽はさっそく薩摩藩から唐芋を取り寄せ、関東数箇所で試験栽培を実施し、見事成功。さつまいもの効用をまとめた「蕃藷考」を著し、将軍吉宗に献上します。

 

そう、薩摩から取り寄せた芋なので、「薩摩芋」として全国区となります。ここに、「さつまいも」という名称が誕生しました。

 

さつまいもの生産量一位は?


蛇足ですが、現在におけるさつまいもの生産量一位の県ってどこだかご存知でしょうか???驚くことなかれ、なんと「鹿児島県」なんです!つまり、「薩摩」です。さつまいもを名乗っているだけのことはありますよね。さすが、本場です。日本全体に占めるさつまいも生産のうち、約4割が鹿児島県で栽培されています。さすが、さつまの芋です。

 

実はこれにはいくつか理由があります。

<鹿児島県がさつまいも生産量一位の理由>

  • 水はけの良い火山灰土壌がさつまいも栽培に適している
  • 地下茎のため、台風の影響を受けにくい

 

鹿児島といえば、桜島が有名ですよね。たびたび噴火を繰り返すため、鹿児島の土壌は火山灰で構成されているため、稲作には不向きです。しかしながら、火山灰は水はけが非常に良いので、さつまいも栽培には都合の良い土壌でした。また、台風の通り道である鹿児島は、地上に露出している作物は吹き飛ばされてしまう可能性が多いに高まりますが、さつまいもは地中にできるので、台風の影響が極めて少なくてすみます。

 

そんな要素から、さつまいもと薩摩=鹿児島というのは見事なまでのシンクロを見せたのです。今では生活に根付いたさつまいも、こんなにも深い歴史があったんです。




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