日本初の肖像画紙幣(お札)はなんと女性だった!どんな人物か解説

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本日はお札の話です。さて、皆さんは日本の紙幣について、それぞれ誰の肖像画かわかりますか??1万円札が福沢諭吉、5千円札が樋口一葉、2千円札が守礼門、千円札が野口英世ですね。男性が2種類、女性が1種類、そして建築物が1種類ですね。紙幣の変遷の歴史はその時の情勢や政府の趣向などが反映していて面白いんです。

 

では、ここで質問です。日本で初めて紙幣に女性が載ったのはいつ、誰だかご存知でしょうか??これ、実はなかなか知られていませんが、樋口一葉が初めてじゃないんです。今回は、日本初の女性紙幣は誰か??をご紹介します。




 

日本初の女性紙幣誕生はなんと明治時代


まず、「いつか?」からです。なんと、日本初の女性紙幣は明治時代に誕生します。しかも、明治時代後期ではなく、前期です。その年、なんと「1881」年。江戸時代が終わったのが1868年なので、江戸時代の終わりから幾ばくもたっていません。

 

しかも、驚くべきはこの女性紙幣が日本初の肖像画紙幣ということなんです。つまり、日本の紙幣で初めての人物画紙幣は女性紙幣だったんです。これ、なかなか知られてないんですよ。では、この女性とは一体ぜんたいどんな人物なんでしょうか??核心に近づいていきます。

 

その人物とは・・・・


日本初の女性紙幣であり、日本初の人物画紙幣でもあるその人物。答えは・・・・・『神功皇后』なんです。ちなみにこんな紙幣です。

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-神功皇后十円札(日本銀行より)-

おそらく、ここでほとんどの人が「??????ってなってることだろうと思うので、この人物について簡単に説明します。

 

「皇后」とある通り、この人物は皇族です。どんな皇族かというと、第14代天皇である仲哀天皇の皇后こそが、この神功皇后です。日本書紀や古事記なんかで登場しますが、時代としては西暦でいうと約200年前後といわれています。

 

この人物が何故日本初の紙幣の肖像画となったかというと、日本書紀や古事記にはこんな話があります。この神功皇后は妊娠中に神のお告げを聞きます。その神のお告げに従い、なんと「朝鮮半島」を征服しにいきます。すごいお告げですな。当時の朝鮮半島は、「高句麗」「百済」「新羅」という三国時代でしたが、その三国全てを征服したといわれています。そのため、「三韓征伐」と言われていますが、日本書紀や古事記には直接の戦闘描写は対新羅だけなので「新羅征伐」とも言われることがあります。

 

明治政府の考え


この仲哀天皇や神功皇后は日本書紀・古事記などにしか登場しないため、真贋や詳細な事象はわかっていませんが、少なくとも明治政府がなぜこの人物を紙幣に用いたか、ということを推測することはできます。

 

今の紙幣の人物は全て教養・文化人ですよね??それは日本が敗戦国であるということが多いに影響しています。対外的にも戦前の政治家や軍事関係者は使ってしまうと波が立つことは必至ですからね。しかし、明治政府は敗戦前です。そして明治政府が目指すもの、これが重要です。明治政府のスローガンは「富国強兵」です。強力な欧米諸国にいつ植民地にされてもおかしくない時代。日本は強くなろうと必死でした。そこで、明治政府が日本の紙幣に選んだのは、対外的に強い行動をとった人物でした。

 

皇族であり、三韓征伐をした人物。まさにうってつけだったのではないでしょうか。国のシンボルかつ対外的な強さを発揮した人物である神功皇后こそが明治政府の富国強兵のイメージに合致したのかもしれませんね。

 

ちなみに余談ですが、神功皇后の紙幣がやたらエキゾチックな外国人風に描かれているのは、この紙幣作成をプロデュースしたのがイタリア人版画家である「エドアルド・キヨッソーネ」という人物だったからです。この頃の日本は欧米諸国から各方面の講師をたくさん招聘していましたが、造幣についても海外技術を取り入れてる真っただ中だったんです。

 

お札から紐解く歴史。いかがだったでしょうか??紙幣にも歴史がつまっているんです。




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1 件の返信

  1. 2017年2月4日

    […] ・日本初の肖像画紙幣(お札)はなんと女性だった!どんな人物か解説 […]