ミシュラングリーンガイドに掲載された秩父三社の長瀞、宝登山神社はまるで美術館だった!

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埼玉県秩父には「秩父三社」という有名な三つの神社があります。その三つとは「三峰神社」、「宝登山神社」、「秩父神社」のことを指しますが、今回はその中でも「ミシュラン・グリーンガイドの一つ星」にも認定されている「宝登山神社」にいってきました!ミシュランって料理だけじゃないんですよ。観光地版もあるんです。

この「宝登山神社」は以前から訪れてみたかったんですが、予想以上に歴史が詰ったまるで美術館のように立派な神社だったのでしっかりとレビューしたいと思います!

ちなみに、秩父三社のうちの一つ、「三峰神社」は以前の記事にも書いてますので、参考にどうぞ。

参考記事:関東屈指のパワースポット!秩父の三峰神社はあのヤマトタケルに由来がある!




いざ、宝登山神社へ!


宝登山神社へのアクセスは車なら関越自動車道の花園ICから、また電車であれば秩父鉄道の長瀞駅から徒歩でいけます。どちらもいけるのでアクセスは良好ですが、今回はSLでも有名な秩父鉄道に乗ってみたかったので、長瀞駅から徒歩で向かうことにしました。駅もレトロで良い感じですよ~。

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木造レトロな長瀞駅

この日は大寒波が日本列島を覆っており、雪がちらついていました。さむーーーー!

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ミシュラン・グリーンガイド押し発見!

駅からロータリに向かって少し歩くと、もう表参道です。大きい鳥居が迎えてくれるので、まず間違わないでしょう。

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鳥居と寒梅がお出迎え

ちなみに、この宝登山神社は「蝋梅」が有名で、あちこちに蝋梅が植えてありました。まだ三分咲程度でしたが、寒梅が咲いてましたよ。蝋梅園もあるので、梅の季節に訪れるとなお良しです。

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駅から約800メートルほどで到着!

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いざ、登上!

 

宝登山神社の創建ストーリー


さて、宝登山神社をお参りする前に、「宝登山神社の創建ストーリー」を必ず知っておきましょう。

<宝登山神社の創立年と歴史>

宝登山神社の歴史は古く、第12代「景行天皇」の在位中、西暦でいうと「110年」が創建年と言われています。なんと1900年以上前です!!!さて、その肝心なストーリですが、登場するのはあの「ヤマトタケル」です。ヤマトタケルは景行天皇の息子、つまり皇子です。ヤマトタケルは東征をしたことでも有名であり(つまり、中央から派遣されて中央集権に従わない豪族を征服していた)、その東征の最中にこの宝登山の美しさに惹かれて、山頂を目指します。

 

しかし、そこで山火事にあってしまいます。万事休すのヤマトタケルでしたが、そこに突然巨犬が現われて山の火を消し始めます。そして無事山火事は鎮火され、ヤマトタケルは九死に一生を得ます。その犬が神犬と後に知ったヤマトタケルはこの地に火の神様である「火産霊神」、山の神様である「大山祇神」、そして初代天皇(神武天皇)である「神日本磐余彦尊」の三社を祀ります。これが、宝登山神社のはじまりです。

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火止神社→宝登神社

また、この「宝登山神社」という名前ですが、神犬が火を消したことから「火止山(ほどざん)」と名づけられ、それが後に「宝登山」となったと言われているんです。この秩父地方また群馬にはヤマトタケルに伝わる伝説が数多く残っています。群馬の「嬬恋」「吾妻」いう地名もヤマトタケルに由来する地名なんですよ。

参考記事:嬬恋と吾妻の地名の由来はあのヤマトタケルにあった?

 

さて、前提知識はこれくらいで十分です!では、さっそく宝登山神社の素晴らしい社を見てみましょう!すごいですよ。どれも一級品です。



まるで美術館!


宝登山神社のすごいところはなんといっても煌びやかな装飾の数々です。まるで、日光東照宮を想起させるかのような色使いと繊細な造りです。

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細かい装飾がもはや美術館レベル

しかも、それだけではないんです。拝殿のまわりには中国の「二十四孝」のうち、8話が描かれています。つまり、中国版親孝行ストーリーですね。これ、中国史を知っている人なら感動しますよ。その一部をご紹介します。

 

これ、三国志でも有名なとあるシーンなんですが・・・・分かりますか?私はこれを見ただけでどのシーンか分かってしまいました!ここからはまさに感動の嵐!これは、「長坂の戦い」「趙雲」「劉備」の息子である「阿斗」を一騎で助け出し、敵中突破をはかるシーンです。以下、長くなってしまうので三国志談議は省略しますが、なんとこの彫刻の裏側には赤ん坊の「阿斗」が彫られているんです。

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長坂の戦いの趙雲と阿斗

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説明書

 

次にこちらも三国志、名馬「赤兎馬」に乗った「関羽」です。隣には、中国神話にとも登場する伝説の王、「尭」「舜」も登場します。

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赤兎馬に乗った関羽

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説明書

また、これも中華史上有名な軍師である「張良」です。「項羽と劉邦」でも有名ですね。劉邦の側近として働き、「漢王朝」設立のまさに立役者です。これは、ある時不思議な老人に出会い、これまた軍師として有名な「太公望」の兵法書を伝授されるシーンです。

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太公望の兵法書を伝授される帳良

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説明書

いや~本当にすごい!!!中国史の有名なシーンのオンパレードです!どれもこれも「二十四孝」のシーンとしても有名であり、親孝行や道徳、義理等の教育に使われています。

 

ヤマトタケルが身を清めた泉


もちろん、中国史だけではありません。なんと、ヤマトタケルが身を清めたといわれている泉、「玉の泉」もあります。それが、こちら!

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玉の泉

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投げ銭禁止です!

 

こんなにお腹いっぱいになっていいの!??というくらい、歴史の数々のオンパレードでした。話には聞いていましたが、本当に美術館並にすごいです、これは。彫刻も素晴らしいですし、雰囲気もとても良いです。

 

ただ、「二十四孝」のシーンは中国史に詳しくなければなかなか難しいと思います。ですが、それをもってしても素晴らしい建築物や装飾の数々は歴史の知識など関係なく、訪れる人を迎えてくれるでしょう。

ぜひパワースポット宝登山神社、訪れてみてください!暑い日には長瀞名物で「ラフティング」を楽しんだ後、これまた長瀞の有名スポットである「阿左美冷蔵」というカキ氷屋さんもおすすめですよ!




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