お墓にある細長い板は何?卒塔婆の意味と由来を簡単に解説

sotobaいきなりですが、お墓によくある細長い板ありますよね?最近のお墓はないところもありますが、昔からあるお墓にはよくあります。この細長い板は「卒塔婆(そとば・そとうば)」というんですが、これどういう意味があるか知ってますか?また、この卒塔婆に書いてある文字ってどう見ても漢字でもなければ日本語でもないですよね?




 

実はこれ、歴史風味的には歴史がかなりつまったものなんです。ということで、「普段見ることはあるけれど、あまり意味を知らないシリーズ」として、今回は卒塔婆を扱いたいと思います。

 

卒塔婆はもともと「ストゥーバ」


もともと卒塔婆は日本のものではなく、仏教由来のとあるものなんです。その名も「ストゥーバ」といいます。これは何かというと「仏舎利塔」のことで、「仏舎利(ぶっしゃり)」とは「ブッダ」つまり「釈迦の遺骨」のことを指します。その「釈迦の遺骨を安置する塔」のことを、「仏舎利塔」というわけですね。

また、この仏舎利は日本の五重塔の起源とも言われており、その五重塔をもとに作られた五輪塔こそが、「卒塔婆の起源」といわれています。確かに言われてみれば、卒塔婆の細長いギザギザした形は塔のように見えませんか?



 

卒塔婆に書かれている文字は?


そして次の疑問です。いったいぜんたい、卒塔婆に書かれている文字は何語なのでしょうか?これはずばり、「梵字(ぼんじ)」です。「サンスクリット語」とも言いますが、とても簡単にはしょって説明すると、「古代インド語」だと思ってください。そして、卒塔婆には主に梵字で「戒名」や「起塔日」を書くのが一般的です。私も中学生の時にサンスクリット語を学ぼうと思いましたが、本を買ってきて少し読んで断念した記憶があります笑  「般若心経」は中学生の頃に覚えましたが、あれもサンスクリット語ですね。

 

では、卒塔婆にはどういう意味があるのか?


そして最後の疑問です。この卒塔婆にはどういう意味があるのでしょうか?前述したとおり、卒塔婆には戒名や起塔日などが書かれていることが多いのですが、実は卒塔婆にはそれ以外の意味があります。それは「善を積む」という考え方です。

どういうことかと言うと、この「卒塔婆をたてる」こと自体が「善」として考えられており、亡くなった方への「冥福」の意味やまた卒塔婆をたてた人に対しては「功徳を積む」といったような考えなわけです。卒塔婆をたてている家は一般的に納骨時に「卒塔婆供養」を行い、あとは法要毎に新しい卒塔婆に変えたりなどしています。

 

お盆の時期なので、ふとこの卒塔婆の記事を書いてみました。あまり普段からお墓を見る機会というのはそんなに多くないとは思いますが、普段当たり前にみているけれども実は意味が知らない、というものは多いと思います。ですが、それらの意味を一度知ると、また違うものの見方やまわりに流されないという知を手に入れることができます。ぜひ、みなさんも普段接するものの意味を知り、まわりに流されず生きてみてください。それだけで、何倍も楽しく生きることができますよ。




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