「千と千尋の神隠し」の釜爺が言う「エンガチョ!」は日本古来からの風習だった!

日本アニメの金字塔でもある「千と千尋の神隠し」。私が生まれて初めて、同じ映画を見にわざわざ2回も映画館に足を運んだことを今でもよく覚えています。日本人なら一回は見たことある映画であるといえるでしょう。

 

さて、この「千と千尋の神隠し」ですが、よく言われるのは「千と千尋の神隠しの湯屋のモデルはどこ?」という話なんですが、ここではその話はとりあえず置いておいて、かの「菅原文太」が演じる「釜爺」「とあるセリフ」に着目したいと思います。




問題のシーンはここだっ!


着目したいシーンは、ハクが「銭婆(ゼニーバ)」から契約の印鑑を盗み出したシーンです。その契約の印鑑を飲み込み苦しそうにしていたハクは、千の助けによってその契約の印鑑を吐き出します。その印鑑には銭婆の呪いがかかっており、その呪いは黒いクネクネした虫の形をしています。

 

最後に千はそのクネクネ虫を踏んづけてKOさせるのですが・・・・その際に釜爺がとあるセリフを叫びます。それが、「エンガチョ!」です!これで思い出された方もいるのではないのでしょうか?私が子ども心のまま見たときは、このセリフの意味がさっぱり分かりませんでしたが、歴史をじょじょに学ぶうえで、ようやく分かるようになりました。

 

この「エンガチョ」という言葉なんですが、かなり古くからの日本の風習なんです。それが、この千のシーンにも取り入れられていたわけですね。簡単に説明していきたいと思います。

 

「エンガチョ」とは?


「エンガチョ」の語源なんですが、これは「縁を(ちょん)切る」から来ているといわれています。つまり、自分のいる世界とのつながりを断つ、という意味です。では、何から断つのか?それが「穢れ」です。簡単な言い方をすると「嫌(厭)なもの」ですね。この「エンガチョ」という言葉は、古来から「穢れを防ぐための民間風習」として広まったものだと言われています。




 

指を交差させることの意味


日本人は古来より、指を交差させることが「魔よけの印」として効果があると信じていました。例えば、産まれてきたばかりの赤ちゃんの額に墨や紅などで「×印」を描く風習なんかも、ここからきています。

 

そのため、この「エンガチョ」も声を発するときに「右手の人差し指と中指をクロスされる」ポーズが一般的です。これは、先述の通りまさに指を交差させ「魔よけの印」を表現しているわけです。

 

平安時代には存在していた?


実はこの「エンガチョ」の歴史は古く、少なくとも平安時代には存在していたといわれています。というのも、当時の様子を描いた絵巻に「平治物語絵巻」という作品があり(ちなみに国宝です)、その中のシーンに「藤原道憲」という人物がさらし首にされる場面があるのですが、その様子を伺う群集(一般市民)の中に「エンガチョ」をしている人物が見られるんです。

 

これは「生首という死の穢れから身を守るためのまじない」として行っていた行為であると考えられます。このシーンが平安時代の出来事のため、少なくとも平安時代にはこの「エンガチョ」が存在していたと考えられるわけです。

 

今では小学校などでは「バリヤー」などといって同じようなことをやっているのを目にしますが(というより、私もやっていましたが笑)、この原型が「エンガチョ」に他ならないのです。




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