日本三大駒の一つ、八戸の「八幡駒」について簡単に解説!

青森県の八戸地方へ旅行した時、とある馬の形をしたものをいたるところで発見しました。このような馬なんですが・・・・さてみなさん、これが何だかお分かりでしょうか?

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八戸駅の八幡馬

 

これはたまたま八戸駅で発見したんですが、この巨大馬の正体は八戸に古くから伝わる「八幡駒」という馬の形をした木製玩具伝統工芸品なんです。旅をすると、このような普段みることができない、その土地に根付いた文化や風習を見ることができることが、旅の醍醐味の一つでもありますよね。今後八戸地方へ来る方のためにも、「八幡駒」について簡単に解説します!このような文化知識を事前に知っておくと、旅がさらに楽しいものとなるスパイスとなりますよ。




 

日本三大駒とは?


日本には「日本三景」「日本三大夜」等、「三大○○」といった言葉がたくさんありますが、その中に「日本三大駒」というものがあります。「駒」とは「馬」のことですね。日本三大駒とは、以下のことを言います。

<日本三大駒>

  • 三春駒(福島県三春町)
  • 木下駒(宮城県仙台市)
  • 八幡駒(青森県八戸市)

 

ポイントとしては、いずれも東方の県ですよね?というのも、古くから東北地方は馬産地として有名でした。日本三大駒の一つである八幡駒がうまれた青森県八戸市も古来より馬産地として有名で、青森県を本拠地としていた「南部氏」「南部騎馬隊」の由来もここから来ています。

 

そのような、馬の文化が古くから根付いている東北地方に日本三大駒が集中していることは、実に合点がいきます。では、この八幡馬についてもう少し掘り下げていきましょう。




八幡馬の起源


八幡馬の起源は諸説ありますが、約750年ほど前から作られていたといわれています。それが南部一の宮である「櫛引八幡宮」で参詣者のお土産として売られるようになり「八幡」の文字を取り「八幡駒」と呼ばれるようになったといわれています。

 

この地方は日本海側ほどではないにしろ冬は雪が多く降ります。夏~秋にかけて農作物の収穫が終わったあとは、白銀の世界となり、家篭りをすることとなりますよね?そこで、冬の家篭りの中で農民はこの八幡馬を作っていたといわれています。いわば、農家の副業といったところですよね。

 

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宿にも立派な八幡駒

 

また、この地方は古くから馬産地でもあるため、馬は神聖な生き物としてあがめられ、大切にされてきました。そのため、この地方では現在でも各家庭にお守りとしてこの八幡駒が飾られているそうです。今回の旅ではこの地方の家庭にお邪魔をすることはできませんでしたが、お土産やモニュメントとして、この八幡駒を多くみることができました。

 

冬の少し寒々しい風景の中に、このような彩り豊かな八幡駒があるということは、春や収穫を待ち焦がれる古くからのこの地方の人々の心の現われかもしれません。

 

東北地方を旅する人は目にすることがあるかもしれません。その時は、ぜひ日本三大駒を思い出してみてください。




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