よくぽつんと道に建立されている「道祖神」とは?その由来や意味を簡単に解説

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今回も「普段実は目にしてるけど、スルーしていたシリーズ」です。今回のテーマは「道祖神」です。上の写真は長野県の諏訪市で撮影したものですが、道祖神はこのように石に文字が刻まれており設置されていることが多く、日本全国で目にすることができます。「いやいや、一回も見たこと無いよ」と言う人はおそらく意識していないだけで、特に田舎にいくと地域差はありますがかなり多く設置されています。車を運転する人なんかは必ず見ているはずです。そして、上の写真は「道祖神」と彫られていますが、中には男女の姿が彫られたものや、人の形をしたものなどかなり種類は多いんです。ですが、一番スタンダードなものが上の写真のように「道祖神」と彫られているものなので、よく覚えておいてください。

 

では、この「道祖神」はいったいどういうものなのか?簡単に説明します。これを知ると、また旅が楽しくなりますよ。




 

道祖神は名前のとおり、とある神様


「道祖神」はその名に「神」がつくとおり、神様です。では、何の神様なのか??これも、字のごとく「道の神様」なんです。どういうことかというと、旅人の安全を守ってくれたり、はたまた外から悪いものが入ってこないように村を守ってくれる等、「道に設置することで、往来する人々やその地の安全を守ってくれる良い神様」なんです。

 

道祖神はもともと民間信仰的に波及した神様で、特定の形や物語があるわけではありません。そのため、先ほど述べたように形も様々で、地域によっても数に偏りがあるわけです。そして、道祖神にはもう一つポイントがあります。それは、「設置されている場所」です。



道祖神が見られる場所


道祖神は「道の神様」と言いましたが、まさにそれが道祖神がどこに設置されているかを表すヒントとなります。先ほど、「旅人の安全を守ってくれたり、外から悪いものが入ってこないよう守ってくれる」と書きましたよね?もうここまで書けば分かると思います。道祖神は「村・町の境」に設置されていることが多いんです。今では「村や町の境ってどこ??」ってくらい人も家も多くなってしまいましたが、昔はそうではりません。村と村、町と町をつなぐのが「道」であって、いまのように「果てしなく家が続いている状態」ではなく、点在するように町や村が存在していました。その境に道祖神が設置されたわけです。

 

なので、ふと街中で道祖神を発見すると、もしかしたら昔の町や村の境だった可能性があります。そうやってあたりの地理をみわたすと、旧市街と新市街の境だったりするんですよ。また道祖神は村・町の境だけでなく、村・町の中心だったり、峠や三叉路等、人が通る要所にも設置されていることがあります。

 

私自身、道祖神は昔から認知していたため、旅先でもよく見ることが多く、特に山梨県と長野県には道祖神が多いイメージです。一説には、関西よりも関東の方が設置数も多く、中でも甲信越地方は多いと言われていたりします。おそらく、平野に比べて山間部の方が道の難所が多いからでしょう。ですが、道祖神は認知していないと、普段無意識の中に見ていてもそのままスルーしてしまうため、おそらくスルーしている人が多いんじゃないでしょうか?

 

道祖神は旅の安全の神様でもあり、また境界や中心という地理的なヒントもそっと教えてくれる神様なので、ぜひこの記事を読んだ人は以後認知をしてもらい、旅先でであったら心の中で手を合わせてみてください。また、その旅にとって素晴らしいスパイスの一つとなりますよ。




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