小姓とは武士の出世コースだった?その仕事内容と小姓出身の有名人を紹介!
よく歴史系の小説やドラマをみていると、「小姓(こしょう)」という字を見たことはありませんか?この小姓、かなり頻繁に目にするワードなので、知っておくと歴史系の小説・ドラマが格段導入しやすくなります。また、小姓は武士の中では「出世コース」とも呼ばれており、戦国武将の中には、この小姓出身の有名人がたくさんいるんですよ。ではこの小姓、いったいどんな役割だったのでしょうか?簡単に解説します。
小姓の仕事内容は?
「小姓」は簡単にいうと、「武士」の「付き人」です。現代風にいうと、「秘書」と「ボディーガード」をミックスさせたようなイメージでしょうか。主な仕事内容はざっとこんな感じです。
<小姓の仕事内容>
- 身の回りの世話
- 雑務(総務)
- 伝令
- 身辺警護
- 衆道(人によりますが、夜の関係・・・)
身の回りの世話や総務的な雑務もこなすので、空気が読めたり気が利かなくてはいけません。もちろん、字も読めなければいけないので、それなりの知能も必要です。また、近辺警護については城にいるときはもちろん、戦場においても主のそばで命を張るわけです。そのため、武道にもたしなんでいなければいけません。
つまり、「文武両道」の力が必要なわけです。ということは、それなりに優秀な人が選ばれるわけです。さらに、武士の側近として仕えているわけですから、「出世コース」にものっているわけです。
実は、皆が知る有名人にも小姓上がりの人がたくさんいるんです。その一部をご紹介しましょう。
小姓上がりの有名人
ざっと並べるだけでもこんなにいます。もちろん、これ以外にもたくさんいますよ。
<小姓上がり有名人一覧>
- 前田利家・・・織田信長の小姓。豊臣政権の五大老の一人であり、加賀100万石の祖となった人ですよね。
- 森蘭丸・・・織田信長の小姓。イケメンで頭脳明晰。本能寺の変で殉死したことでも有名ですね。
- 堀秀政・・・織田信長の小姓。名人久太郎として知られていますね。器用で大抵のことはできてしまう人。
- 井伊直政・・・徳川家康の小姓。徳川四天王です。大河ドラマ「おんな城主 直虎」でも出てきましたね。
- 直江兼続・・・上杉景勝の小姓。景勝の頭脳です。大河ドラマ「天地人」の主人公。
- 片倉景綱 ・・・伊達政宗の小姓。こちらも、政宗の頭脳です。
- 石田三成・・・豊臣秀吉の小姓。いわずもがな、関ヶ原の戦いで家康に敗北します。
- 真田幸村・・・豊臣秀吉の小姓。秀吉に気に入られ、そのまま大阪の陣では豊臣方へ。大河ドラマ「真田丸」の主人公。
小姓には時代が先にすすむほど、人質のような性質もあわせてもつようになります。真田幸村なんかはそのとおりですよね。真田家が豊臣家に臣従を誓ったときに差し出したのが、幸村です。
とはいえ、上で述べたのはほんの一例ですが、とてつもない大物揃いですよね。いかに、小姓というシステムが出世コースとなっていたかが分かります。もちろん、出世できない小姓もたくさんいますが、いってみたら現代社会の大企業に置き換えてみると「社長に顔を知ってもらえる」ことなんて、取締役くらいにならないとそうはないですからね。それだけ、出世の機会が他の武士に比べたらあったんです。
今後、大河ドラマや歴史小説で「小姓」というワードがでてきたら、アンテナを張ってみてください。さらに一段深い理解となりますよ。